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【本日のインソール】関西実業団陸上競技選手権で優勝した男子棒高跳び選手のスピード強化を図るスパイクシューズやトレーニングシューズをフィッティング!

リョウくんが初めてオリンピアサンワーズにやってきたのは15年前の春。 府内でも指折りの進学校に入学したばかりで、専門種目は棒高跳びだった。 以来、彼は当店でシューズをフィッティングするようになった。 彼はいつも熱心で、来店するたびに、強くなるための練習やアドバイスを川見店主に求めた。 高3の時は棒高跳びで近畿大会まで進んだ。 その後、彼は名門大学に現役合格。 陸上競技部に入り、棒高跳びも続けた。 大学卒業後は大手企業に就職。 社会人としての忙しい日々が流れた。 しかし、彼の体は宙に舞うことを求めた。 そして3年前、彼は6年ぶりにオリンピアサンワーズに来店し、棒高跳び用のスパイクシューズをフィッティングした。 競技を再開した彼は現役時代なみの記録に到達した。 2020年の関西実業団選手権では4m60cmを跳び優勝した。 今回、来店した彼のテーマは「スピード強化」。 川見店主は3足のシューズを用意し、オーダーメイドインソールでフィッティングした。 ①短距離スパイクシューズ ②アップシューズ ③足を強くする足袋シューズ これで彼にフィッティングしたシューズは通算18足となった。 「学生時代より今の方が知識と経験が増えた分、競技を深く楽しめるようになりました」 と笑うリョウくん。 これからもオトナの陸上競技をつづけてほしいです。 写真のすべては当店インスタグラムでご紹介↓ この投稿をInstagramで見る オリンピアサンワーズ | olympiasunwards(@olympiasunwards)がシェアした投稿 当店ホームページ↓ 陸上競技シューズのインソールをくわしく↓

【三段跳】彼女はみんなの顔を思い浮かべて思いっ切り跳んだ。~2017年全国インターハイ女子三段跳びの話(その2)

( その1「決戦前日、川見店主は彼女のインソールを補修した」 のつづきです ) 8/2 10:15 全国インターハイ女子三段跳び予選 2017年8月2日。晴れ。 NDソフトスタジアム山形。 全国インターハイ陸上競技大会最終日。 川見店主はスタンドのほぼ最前列にいた。 視線はあるひとりの女の子を追っている。 助走路の遠くにその姿はあった。 彼女は両手を腰に当て、膝を交互に動かしリズムをとり、30mほど先の砂のピットを見つめている。 女子三段跳び予選は午前10時過ぎからはじまっていた。 出場選手は44名。 試技は3回行われ、予選通過標準記録12m15cmを跳べば自動的に決勝進出が決まる。 「12m15cm」――それは、彼女が2か月前に1度だけ出した自己ベスト記録と同じ距離だった。 2か月前に12m15cm跳んだ話↓ すでに彼女は試技1回目を12m10cm、2回目を11m93cmで終えていた。 決勝進出にはあと5cm記録を伸ばし、自己タイ記録で跳ぶ必要があった。 3回目、最後の試技に彼女は挑む。 彼女の夏が終わるのか、つづくのか。 すべてはこの跳躍にかかっていた。 川見店主は心臓が止まりそうだった。 助走路の彼女が手を挙げて大きく叫んだ。 「いきまーーす!」 一瞬カラダをためて、踏み出した。 徐々に加速し、トップスピードに乗った。 踏み切り板に足を叩きつけ、前方へ勢いよく弾け跳ぶ。 ホップ、ステップ、ジャンプ。 川見店主は思わず身を乗り出していた。 記録 12m31cm 。 彼女は自己ベスト記録を16cmも更新し、決勝進出を決めた。 川見店主はホッとため息をついた。 鼓動が高まっているのを聞いた。 こんな試合の観戦はカラダに悪いなと苦笑いしたくなった。 ほんとに、と川見店主は思う。 「三段跳びって、どうなるかわからない競技だな」 三段跳び予選。彼女の跳躍を撮った一枚。(撮影・川見店主) ◆ 彼女はどんな気持ちで跳んでいたのか 川見店主をはじめスタンドで応援する人たちは、彼女が跳ぶたびにドキドキハラハラしては寿命を縮めていた。では、当のご本人はどんな気持ちで試合にのぞんでいたのか? 彼女は、楽しくてならなかった。

【三段跳】決戦前日、川見店主は彼女のインソールを補修した。~2017年全国インターハイ女子三段跳びの話。(その1)

熊本の少女が全国インターハイに出場するまでの8年間と「30日の奇跡」の話を以前ブログでご紹介しました。 この物語にはつづきがあります。 舞台は熊本から山形へ。 彼女と川見店主と陸上競技を愛する人たちとの、熱い夏の2日間を追います。 ***** 8/1 決戦の前日 【川見店主は彼女のインソールを補修する】 2017年8月1日。 NDソフトスタジアム山形。 全国インターハイ陸上競技大会第4日目。 この日、川見店主は朝からスタンドで試合を観戦していたが、昼前に一度席を外した。 陸上競技場を出る。 周辺には各スポーツメーカーのブースが並んでいる。 川見店主は陸上競技専門メーカーN社のブースに立ち寄り、気心知れた社員さんたちに挨拶した。 「こんにちは」 「あ、川見さん、おつかれさまです」 「ちょっとの時間だけ、ここのスペースをお借りしますね」 「どうぞどうぞ。昨日話しておられた女子の三段跳びの選手が来るんでしたよね」 「そうです。明日の試合に備えてインソールの補修をしてあげることになってて」 「へー、そこまでしてあげるんですね」 彼女とは事前に連絡をとり合い、決戦の前にインソールの補修を行う約束をしていた。必要な用具や材料は大阪から持参した。専用のハサミは飛行機内に持ち込めないため、宿泊先のホテルに宅急便で送っておいた。 彼女が姿を現す。日焼けした精悍な顔。 川見店主が聞いた。 「調子はどう?」 「はい、いいです」 彼女からスパイクシューズを受けとり、中からインソールを抜きだした。フィッティングしてから3か月が経過したインソールには、すでに彼女の重心の跡がクッキリと残っている。 持参した表面材をハサミで切り、インソールの傷んだ場所に貼りあてて補修した。アーチ(土踏まず)部分にも貼りあて、助走のスピードが乗りやすいように、跳躍のパワーがより地面に伝わるようにと、ひと工夫を凝らした。 インソールをシューズに装着して彼女にわたす。 「インソールに少し調整を加えてみたよ」 彼女はシューズに足を入れた。 笑顔でこたえた。 「すごくいい感じです」 ◆ 【たぶっちゃんは彼女の筋肉をケアする】 シューズはこれで大丈夫だろう。 カラダのコンディションは

【三段跳】彼女はこの夏を忘れない。~熊本の少女が全国インターハイに出場するまでの8年間の話。(その3)

( その2「8年ぶりにやってきた彼女は3足のシューズをフィッティングした」 のつづきです) 彼女には3つの夢があった。 三段跳びで12mのジャンプがしたい。 全国インターハイに出場したい。 そして、女子キャプテンとして、チームも全国大会の舞台へ連れていきたい。 彼女はもう時間を無駄にはできなかった。 川見店主に教えてもらったとおり、立ち方歩き方の姿勢を常に意識した。 カラダの柔軟性を高めるトレーニングを、日々欠かさずに行いつづけた。 2週間後。全国インターハイ熊本県予選大会。 2週間後。 2017年6月2~5日。 熊本県えがお健康スタジアム。 全国インターハイ熊本県予選大会。 彼女が出場した種目と残した結果。 ・走幅跳び決勝 5m41cm 第4位 ・三段跳び決勝 11m70cm 第1位 ・4×400mリレー決勝 第2位 彼女はこの3種目で南九州地区予選大会への進出を決めた。 驚きは走り幅跳びの記録だった。 彼女は年が明けてから走り幅跳びの練習をほとんど行っていなかった。 この県大会の試合は「出れるから出てみた」だけだった。 スパイクシューズも「走り幅跳び用」ではなく、2週間前にフィッティングしたばかりの「三段跳び用」でのぞんだ。 それなのに、高2までの自己ベスト5m29cmから12cmも記録を更新したのだ。 彼女は変化を感じはじめていた。 走ればスムーズに加速に乗っていける。 助走のトップスピードがあがっている。 ジャンプの勢いが明らかに増している。 跳躍した上半身がバネのようにしなる。 そして、接地する最後の瞬間、空中で何かに背中を押されたように「グン」とカラダが前方へ運ばれ、飛距離が伸びる――そんな感覚を知りはじめていた。 30日後。全国インターハイ南九州地区予選大会。 【女子走り幅跳び決勝】 30日後。 2017年6月15日。 熊本県えがお健康スタジアム。 全国インターハイ南九州地区予選大会、初日。 女子走り幅跳び決勝は22名の選手で競われた。 勝負は2段階で進む。 まずは各選手が3回試技を行い、上位記録の8名だけが生き残り14名が脱落する。 上位8名はひきつづき3回試技を行い、計6回の試技の中での最高記録で順位を決定する。 そのうち全国インターハイへ

【三段跳】8年ぶりにやってきた彼女は3足のシューズをフィッティングした。~熊本の少女が全国インターハイに出場するまでの8年間の話。(その2)

熊本県にある滝 ( その1「高校2年生の彼女は三段跳びをはじめた」 のつづきです) 2017年5月。 彼女は8年ぶりにオリンピアサンワーズにやってきた。 小学4年生だった小さな女の子は、精悍に日焼けしたアスリートとなって目の前に現れた。 お父さん: 「本当はもっと早く連れてきたかったんです。娘からはずっと『鶴橋のお店に連れて行ってくれ』と頼まれてました。けれど、なかなか機会がつくれなくて、かわいそうなことをしました。」 川見店主: 「熊本の方々は大きな震災も乗り越えなければなりませんでしたもの。私たちには想像できない、たくさんのご苦労があったことだと思います。」 お父さん: 「いろんなことがありました。そして、やっとここに来れました。」 この8年間、お父さんはずっと彼女の競技生活を応援しつづけてきた。 できるかぎり彼女が出場する試合にかけつけ、その姿を動画におさめた。 川見店主はそれらの動画を見せてもらった。 彼女の走る姿や跳躍のフォームは、想像していたとおりだった。 川見店主: 「上半身をもっとやわらかく、そしてカラダ全体をもっと大きく、のびのびと使えるようになれば、彼女はもっと記録を出せます。」 お父さん: 「本当ですか。」 川見店主: 「今でもこれだけ跳べるんですから、彼女の秘めた力はこんなものじゃないですよ。」 次に、川見店主は彼女の足に向き合った。 がんばりつづけて無理を重ねた足だった。 足の痛みの原因がどこにあるかを探った。 彼女の足を守るためのシューズを選んだ。 彼女が最高の力を発揮するためのインソールを作った。 初日、トレーニング用アップシューズ、短距離スパイクシューズの2足をフィッティング。装着したオーダーメイド・インソールは、いずれも最上級インソールのゼロ・アムフィット。 川見店主はシューズのフィッティングを行いながら、幾度となく彼女に質問を投げかけた。返ってくる言葉の中に彼女の感覚をさぐった。頭の中で彼女の気持ちで走り、跳躍し、湧き上がるイメージをとらえながらインソールの調整を繰り返した。 できあがったシューズを履いて、彼女は軽くステップを踏んでみた。 シューズは足に心地よくフィットした。 足の痛みは不思議と感じなかった。 川見店主は時間

【三段跳】高校2年生の彼女は三段跳びをはじめた。~熊本の少女が全国インターハイに出場するまでの8年間の話。(その1)

2009年夏。小学4年生の彼女は熊本空港から飛び立った。 その日、九州の空は晴れ渡っていたはずだ。 彼女を乗せた飛行機が熊本空港から飛び立った。 8年前の夏休み。 大阪への日帰りの旅。 彼女は小学4年生だった。 隣には大好きなお父さんとお姉ちゃんが座っている。 だから楽しいはずだった。 でも、旅の目的が彼女にはちょっと不思議だった。 「どうしてシューズを買うためだけに、飛行機に乗ってわざわざ大阪まで行くんだろう?」 空から降りた大阪は暑かった。 空港から電車を乗り継ぎ、ようやくたどり着いた駅。 その「鶴橋(つるはし)」という駅名が、彼女にはなぜか強く印象に残った。 しばらく歩くと店についた。 そこは店でないような店だった。 お父さんにうながされて中に入った。 彼女は少し緊張したけど、お姉ちゃんといるから大丈夫だった。 *** 8年前に熊本県からやって来た、その姉妹の足型測定用紙が今も店に残っている。そこにはこんな風に記されている。 <2009年8月○日> ・姉エリサ 中1 陸上100m14秒2  サイズ 左24.0cm、右24.2cm ・妹エリナ 小4 サッカー  サイズ 左21.7cm、右21.6cm 当時の記憶をたどる。 たしかその日、お父さんはお仕事の関係で、姉妹を店に残してしばらく外出された。ふたりはお行儀よく店で時間を過ごしていた。 陸上競技をはじめた姉エリサちゃんにはランニングシューズと短距離用スパイクシューズをフィッティングした。 妹エリナちゃんのサッカースパイクシューズは取り寄せなければならなかった。だから、彼女だけは1週間後にもふたたび熊本県からお父さんと一緒に来店してフィッティングを行った。 *** この2回の大阪への旅で、彼女には「鶴橋」という駅名の他にも印象に残ったことが2つあった。 1つ。その店で足型を測定してもらった時に、足の裏がとてもくすぐったかったこと。 2つ。その店のおばちゃんに色々教えてもらったこと。特に、お姉ちゃんは、正しい姿勢での立ち方・歩き方、短距離の走り方や練習方法を熱心に教えてもらっていた。それを見ていた彼女はこう思った。 「自分も大きくなったら陸上競技をやろう。そして、またお父さんに、このお店に連れてきてもらおう。」